私は、花屋さんを営むご夫婦の家にステイし、ゼロから英国流のフラワーアレンジメントを教わりました。
花の合わせ方、葉の選び方、水上げの仕方など、フローリストに必要なすべてをです。少しずつ努力を重ねるうち、次第に地元のフラワークラブや福祉施設で腕前を披露する機会を与えてもらい、教会で行われる洗礼式のお花を任されたときは、後でサンキューカードをもらい、とても感激しました。
町はスコットランドとの国境に近いカントリーサイド。ホストファミリーの家には公園のよう広い庭があり、森があり、花が咲き乱れ、羊の鳴き声が聞こえる海にも歩いていけるという夢のような世界。
週末は、庭に咲いている花を生けたり、野ウサギの数を数えながら散歩したり、家でのんびりとすごすことが多かったです。
また、近くには映画「恋に落ちたシェイクスピア」で使われたアニック城もあり、ホストマザーがその城のディスプレイを任されたとき、一緒に連れて行ってもらいました。
シャンデリアや銀の食器、すばらしい家具や調度品など一生忘れられない思い出です。
こちらの人々と付き合って変わったのは、自分の意見や感想をはっきり口に出すようになったこと。黙っていると自分の存在を忘れられてしまうし、自分の考えを言えないのは恥だと感じるようになったのです。以前は依存心が強く、あまりはっきりものを言えない性格でしたが、良い意味で自己主張ができるようになり、独立心が強くなったと思いますよ。きっと、自分の力でやり遂げることの満足感を味わうことができたせいでしょう。
こちらの人は、よく『Never mind!』と口にします。日本では女性が30歳位になると様々なプレッシャーがあります。
でも、私はもう一度英国に行ってフローリストの仕事をしたいという夢があるので、迷いはありません。再び英国へ旅立つ夢を馳せて日々がんばってます。
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